家族信託の勉強をしていると、アメリカでは家族信託を含めた信託という制度を用いて多くの人が自分の財産を管理しているという話を聞くことがある。そしてアメリカでは自己信託という手法がしばしば使われているようである。この自己信託とは何かというと、委託者自身が受託者となり、受益者のために自己の財産を管理・処分する信託のことである。通常の信託契約では委託者と受託者が異なる者であるため、財産の名義が受託者(つまり自分以外の者)に変わってしまうが、自己信託を使うことによって財産の名義が自分のままであるという特徴がある。財産の名義が変わってしまうことに心理的な抵抗がある方は、自己信託の活用も検討してみるのもいいかもしれない。しかし、自己信託特有のリスクもあるので、やはり家族信託の相談は家族信託に詳しい専門家に相談すべきであると考えられる。