2019年7月1日からの施行により、遺留分制度が見直された。簡単に言うと、「遺留分を侵害された者は、遺贈や贈与を受けた者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の請求をすることができる」という規定に変わったのである。従来の制度であれば、遺留分減殺請求権を行使することによって共有状態が生じてしまっていたのである。
父親が亡くなって相続人が長男と二男の子供2人の例で考えてみよう。父親が1000万円の価値のある不動産しか財産を持っておらず、「長男に全財産を相続させる。」とした遺言を書いていていた場合に、これを不満に思った二男が遺留分を請求すると、不動産が長男3/4、二男1/4と共有に従来はなっていた。しかし今回の改正で持分1/4に変わる金銭250万円を長男に対して請求することができるようになったのである。これを機に共有不動産で処分ができない土地が減ることを今後は願うばかりである。