相続対策で最低限考える3つのこと

 当事務所に相続対策の相談で来られるお客様にはいろいろな悩みを抱えた方がいますが、その中で特に多いものが2つあります。「①相続人間でもめてほしくない」、「②税金を安くして財産を引き継ぎたい」の2つの悩みである。しかしこれらと同じぐらい大事なものに、「③両親の財産管理の問題」があると思う。例えばテレビなどでもよく耳にするかと思うが、認知症になったら預金が凍結され、引き出せなくなってしまうことである。又は親が認知症になり施設に入る時に頭金が必要で、親名義の自宅を売却しようとしても売却することができないなどである。親自身の財産が凍結されてしまうと介護費用、医療費、生活費など様々な面で困ってしまうことになる。

 ①②の問題は意識している方が最近増えてきた気がするが、③の問題については意識している人は少ない気がする。財産が凍結されてから慌てて当事務所に相談に来られる方も非常に多い。しかし、認知症になって財産が凍結されてしまってからではできることが限られてしまう。

 相続対策をするにあたって最低限考えないといけない3つのことは「①相続人間でもめてほしくない」「②税金を安くして財産を引き継ぎたい」「③両親の財産管理の問題」だと思うが、それ以外にも介護や葬儀、お墓のことなど多岐にわたる。さらに相続人間でもめないためにはどうしたらいいのか、税金を安くして引き継ぐにはどうしたらいいのか、両親の財産管理をどうしたらいいのかなど掘り下げていくと考えないといけないことはたくさん出てくる。だから相続対策は非常に難しく、奥が深いものである。